aqualovers
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寄り添う二つの影。 遠くからは一つの影に見えるだろうか。 ぼくたちはひとつになれているのだろうか? 他愛も無い考えにつらつらと思いを巡らせる。 「ねぇ……」 見上げれば何処までも続く満天の星空。星々が今にも降ってきそうだ。星に押し潰されそうな恐怖と、星空を一人占めできる快感に酔いしれる。 彼女はぼくの呼びかけに、小さく首を傾げた。なに、と言葉に現れない問いをこちらに投げかけて。 「このまま――ずっと一緒にいようよ」 この夜空が消えてしまっても。 世界が闇に閉ざされても。 ずっと、ふたりで。 例え世界から弾き出されて永久の暗黒を彷徨おうとも……。 星空に溶けるようにひっそりと生きよう。誰もぼくたちを知らなくていい。だれも干渉してこない場所で、二人だけが存在できる空間で。 何処でもいい。何処か知らない土地へ。二人で。ふたりだけ、で。 「全部捨てて……」 何も持たずに行こう。 ただ互いの存在を確かめ合って、それだけでいいから。 応えは返らなかった。 代わりに――――小さな頷きと、はにかんだ笑みを手に入れた。 ――終。 あとがき |
稿了 平成十二年七月三十日日曜日
改稿 平成十二年八月二十二日火曜日